汗をかく量が増える夏は、体臭が気になる季節です。かいたばかりの汗はもちろん、乾いた汗が臭いの元になることもあるため、できるだけ汗をかかないようにと気を使っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、臭い対策として「汗をかかないようにする」というのは実は逆効果で、汗をかきにくい人ほど体臭が強くなるといわれています。
なぜ、汗をかきにくい人ほど臭いといわれるのでしょうか。その理由と汗をかくための方法を紹介します。
汗をかきにくい人ほど臭い理由
汗を分泌する「汗腺」には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の二つがあります。エクリン腺は全身の様々な場所に存在する汗腺で、主に体温調節のために出る汗を分泌しています。エクリン腺から出る汗は水分が多くサラサラしており、臭いはほとんどしません。
一方、アポクリン腺は脇の下や外陰部などに存在する汗腺で、タンパク質やミネラルなどの成分を含む汗を分泌します。アポクリン腺から分泌された汗は水分が少なくネバネバとしており、汗をかいてからしばらくすると汗に含まれたタンパク質などが皮膚常在菌に分解されて臭いを発します。
汗をかきにくい人はエクリン腺から分泌する汗の量が少ないため、アポクリン腺から出る汗の量が相対的に多くなるため、汗かきの人よりも臭いがきつくなる傾向があります。
また、汗は血液を元に作られますが、血液の中にはミネラルやアンモニアが含まれています。汗をかかず、汗腺の機能が低下していると血液中のミネラルやアンモニアが汗となって出てしまうため、普通ならあまり臭わないはずのエクリン腺から分泌する汗も臭いが強くなってしまいます。
汗腺トレーニングのやり方
汗の質をよくするためには普段からたくさん汗をかくことが重要なポイントとなりますが、汗腺の機能が低下している人は思うように汗をかくことができません。このような場合は「汗腺トレーニング」で汗をかける体にする必要があります。
【汗腺トレーニングの仕方】
1:43~44度のお湯を20~30cm程度入れる
2:両腕を肘まで、両足を膝下まで湯の中に15分程度入れる
3:水を足して36~38度に温度を下げ、15分程度半身浴か全身浴する
四つ這いのような姿勢でもよいですが、バスチェアを使用しても構いません。
生活習慣の見直しも
冷たい食べ物や飲み物ばかりをとる、冷房の設定温度が低いなど、体を冷やす生活をしていると汗腺の機能が低下して汗をかきにくくなってしまいます。食生活や空調の設定を見直すと共に、運動や半身浴、岩盤浴で体温をあげて汗をかくようにするとよいでしょう。
まとめ
汗腺トレーニングは「やればすぐに効果が出る」というものではなく、効果が出るまでにはある程度の時間がかかります。効果を実感できるまでには個人差がありますが、よい汗を書くための習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、水分が不足していると汗をかきにくいだけではなく、汗をかいた時に脱水症状を起こす可能性があり危険です。水分をしっかり摂って汗をかきやすい状態を作るだけではなく、脱水症状から体を守ってくださいね。