ドラッグストアに行くと市販薬から衛生用品まで健康に関わるさまざまな製品が販売されています。一般的には西洋医学系の製品を扱っているドラッグストアが多いですが、漢方薬や漢方サプリメントといった東洋医学系の製品を多く扱うドッグストアもあります。なかでも漢方サプリメントは体に優しいというイメージがあることから人気が高く、多くのドラッグストアで扱われているようです。
ところで、漢方薬と漢方サプリメントにはどのような違いがあり、何を基準に選べばよいのでしょうか。
漢方薬と漢方サプリメントの違い
漢方とは、中国医学をもとに日本で独自に発展した東洋医学です。痛みや不調などは体内のバランスが崩れたことによって起こるものであるため、鍼灸や食養生などでバランスを整え、体質を改善しようという考えを基本としています。
漢方薬は、漢方の考えに則り、「生薬」と呼ばれる薬効を持つ植物などを組わせることで特定の薬効を強化、または減衰させた薬で、使用することで体質を改善し、病気などの症状を和らげることを目的としています。飲み薬だけではなく、貼り薬や塗り薬などもあります。
また、漢方で使用される「生薬」はショウガやウコンなどの「食品」に分類されるものとマオウなどの「医薬品」に分類されるものがあり、漢方薬の場合は医薬品に分類される生薬を成分として含むことができます。法的にも「医薬品」として分類されています。
一方、漢方サプリメントも漢方の考えに則って作られており、「生薬」を使って体質改善を目指すという点では基本的に同じですが、漢方薬に比べると生薬の成分が少ない、使用できるのは「食品」に該当する生薬のみであるといった違いがあります。法的には「食品」に分類されており、経口摂取できるものしかありません。
漢方サプリメントの選び方・使い方
漢方サプリメントは漢方の考えに則り、生薬を使用して作られているという点では漢方薬と同じですが、生薬がどの程度含まれているか、どの程度薬効が期待できるのかは製品によって異なります。漢方サプリメントを使って体質改善に取り組みたいと考えるのであれば、品質を見極めて製品を選ぶことが重要です。
漢方サプリメントを選ぶときは、インターネットのレビューや口コミを参考にするのもよいですが、「機能性食品」「特定保健用食品」であるかを確認するのもよいでしょう。機能性食品や特定保健用食品は、国によって効果や安全性の審査を受けているため、認定を受けていない漢方サプリメントよりも品質が高く、効果・効能が期待できます。
食品である漢方サプリメントは、漢方薬に比べると効果や効能は弱いものの、過剰摂取すると体調不良を引き起こす可能性があります。製品に表示されている1日の摂取量などを守って、正しく使いましょう。
まとめ
漢方薬に使用される生薬は「食品」に分類されるものも多いため、漢方薬と漢方サプリメントの境界は非常にあいまいです。また、漢方サプリメントは効果・効能、品質にばらつきがあり、漢方薬に近い製品がある一方、食品として備えている栄養以上の効果は期待できない製品もあります。
どの程度の効果を期待するかで製品の選び方も異なってきますので、何を選べばよいかわからないというときは、専門家などに相談して選ぶとよいでしょう。