マッサージや整体などの施術を受けた後、体に痛みを感じたり一時的に体調が悪くなったりすることがあります。施術後に感じる痛みといえば「揉み返し」というイメージがありますが、もしかすると「好転反応」かもしれません。
好転反応は揉み返しと何が違って、どのようなものを指すのでしょうか。
好転反応とは
好転反応とは、体の悪いところが回復する過程で症状が一時的に悪化することを指し、漢方医学では瞑眩(めんけん、めんげん)反応ともいいます。好転反応が出るか出ないか、どのような症状が出るかは個人差がありますが、一般的には3~4日程度症状が続くといわれています。
好転反応が起こる原因はあまりよくわかっていませんが、肩こりや腰痛などを解消するために施術を受けたときに起こる好転反応は、筋肉がほぐれると凝りの部分で滞っていた老廃物などが血液中に流れ、流れた老廃物が体に影響を及ぼすことで起こると考えられています。
施術を行った部分の痛みが悪化・ぶり返したように感じることがあるほか、眠気やだるさ、熱を感じたり、尿の色が変わったりするなど、施術した部位とは関係のない部分に症状が出ることもあります。また、痛みを感じる場合は痛みの場所が時間とともに変化することもあります。
一方、揉み返しとは施術によって筋肉が傷つき炎症を起こした状態です。施術した部位に痛みを感じるというのは好転反応にもみられる症状ですが、揉み返しの場合は症状が出るのは施術した部位だけです。
好転反応の症状
好転反応は症状が出て回復するまでに四つの段階があり、それぞれ異なる症状が出るといわれています。ただし、好転反応の各段階がどの程度続くか、どの程度の強さで症状が出るかには個人差があります。ほとんど症状を感じない方がいれば、強い症状が出る方もいます。
【第一段階:弛緩(しかん)反応】
筋肉がほぐれることで体内の毒素や老廃物が血液中に流れだし、循環することを弛緩反応といいます。好転反応の最初の段階で、倦怠感や眠気、疲労感などの全身症状が出るといわれています。
【第二段階:過敏反応】
凝りなどで機能が低下していた体の部位が本来の機能を取り戻し始めると、損傷を受けていた組織の修復が始まります。このとき、新しい血液が流れ込むことで痛みやかゆみを感じたり、炎症を起こしたりすることがあります。これが好転反応の第二段階である過剰反応です。
一般的に「好転反応」ときいてイメージされるのはこの段階です。
【第三反応:排泄反応】
体内にたまった毒素や老廃物を体外に排出しようとするときに起こるのが排泄反応です。尿が濃くなる、下痢を起こすといった症状の他に、吹き出物や発疹となって現れることもあります。
【第四段階:回復反応】
血行の悪かった所が改善され、たまっていた汚れた血液が体内を巡り始めたときに起こるのが回復反応です。新陳代謝によって血液がきれいになると症状が収まり、体調が回復します。発熱、吐き気、腹痛、体の痛みを感じる方が多いといわれています。
まとめ
好転反応の出方には個人差があるため、それほど不調を感じない、ごく短期間で収まるという方がいる一方、強い症状が出る、症状が長引くという方もいます。また、好転反応によく似た症状が出る病気もありますので、施術の後に何らかの不調があり、その症状が辛い、4日以上不調が続いているといった場合は専門家にご相談ください。