マッサージというと肩が凝ったときは肩、腰が痛いときは腰など不調を感じる場所を揉んだり押したりするイメージがありますが、近年、耳をマッサージすると自律神経が整う、肩こりや頭痛が解消するなどと話題になっています。
なぜ耳をマッサージすると肩こりなどが解消されるのでしょうか。また、自分で耳をマッサージする場合、どのような方法で行えばよいのでしょうか。
耳と体の関係
東洋医学では人間の体には「経絡(けいらく)」と呼ばれる気などの通り道があり、経絡の上に存在するツボを刺激することで巡りを改善して体を整えることができると考えられています。
ツボが多く集まる「耳」は体中の経絡が通る場所でもあるため、「体の縮小版」ともいわれており、疲れが溜まると経絡が凝って耳が硬くなるともいわれています。
耳マッサージが肩こりや頭痛の解消、自律神経を整える効果があるといわれるのも、耳に多くのツボや経絡が集まっているからです。
簡単な耳マッサージ
耳マッサージは耳全体のマッサージと、耳にある特定のツボをマッサージする方法があります。耳全体をマッサージしてからツボをマッサージすると効果が表れやすいといわれています。
【耳全体のマッサージ】
耳全体のマッサージはツボ押し前の準備運動のような役割がありますが、単独でも血流の改善や基礎代謝アップ、疲労回復などの効果を期待できます。1分程度時間をかけてゆっくり行いましょう。
1:両耳を指全体で揉む
2:上、下、横に5秒ずつ軽く引っ張る
3:耳を横に引っ張りながら後ろに5回まわす
4:耳を手のひらで包んで折り曲げ、5秒間キープ
5:手のひらで耳を包み、後ろに5回まわす
【目の疲れ用マッサージ】
目のツボは耳たぶにあります。目が疲れてかすむ、疲れ目で頭痛がするといったときに最適です。
1:耳たぶを親指を人差し指で挟んで揉む
2:耳の根元を人さし指と中指で挟み、後ろに10回まわす
3:耳の前後を人さし指と中指で挟み、上から下へ5回さする
4:耳上のこめかみに拳を当てて側頭をほぐす
【肩こり解消マッサージ】
耳のふちの中心から耳たぶにかけてには肩こりによいとされるツボが集まっており、「肩こり帯」とも呼ばれています。目のツボとあわせてマッサージしてもよいでしょう。
1:親指と人差し指で肩こり帯を揉む
2:肩こり帯を軽くつまんで5秒ほど引っ張る
3:親指と人差し指で肩こり帯を挟み、上から下に5回さする
【ストレス緩和マッサージ】
耳の上部にある「神門」は、自律神経を整え、ストレスを和らげるとされるツボです。イライラしたときや就寝前にマッサージするとよいでしょう。
1:親指と人差し指で挟み、円を描くようにほぐす
2:5秒程度、斜め上に軽く引っ張る
3:1と2を5回程度繰り返す
耳マッサージの注意点
耳は非常にデリケートな部分です。マッサージするときは力を入れすぎず、「痛気持ちいい」と感じる程度の力加減で行いましょう。
また、強い痛みを感じた時はマッサージを中止し、痛みが引かない時は医療機関に相談してください。
まとめ
硬さで体の疲労度を知ることができる耳のマッサージは、健康状態のチェックにもなるといわれています。道具も要らず、座ったまま手軽にできるので、疲労回復やリラックスを兼ねて1日1回の耳マッサージを習慣にしてもよいかもしれません。