多忙な日々を送る現代人は、常にストレスや不安にされされて体が凝り固まっていることが少なくありません。体が固まっているとリラックスすることができず、睡眠の質が低下したり精神的な不調に繋がったりといったトラブルを招くこともあります。
そこで最近注目されているリラックス法が「筋弛緩法」です。
筋弛緩法にはどのような効果があり、どの方法で行えばよいのでしょうか。
筋弛緩法の効果
人間の体はストレスや不安にさらされると筋肉に力が入って体が硬くなり、リラックスした状態ではだらりと力が抜けた状態になります。通常、この反応は無意識に起こりますが、筋弛緩法はその反対に、意識的に力を抜くことでリラックス状態を作る方法です。
筋弛緩法の歴史は古く、アメリカの精神科医エドモンド・ジェイコブソンが1938年にリラクゼーション法として発表して以来、「自律神経訓練法」などとも呼ばれて広がり、認知行動療法にも取り入れられてきました。
筋弛緩法の主な効果は、体の筋肉から深くリラックスできるということです。リラックスしているときは副交感神経が優位に働き、体が疲労回復モードとなります。そのため、筋弛緩法を取り入れると「体が軽くなった」「疲れが取れやすくなった」「睡眠の質がアップした」などの効果を期待できます。
さらに、体の緊張が溶けて呼吸が深くなることで集中力や記憶力がアップし、勉強や仕事の効率が高くなるともいわれています。
筋弛緩法の仕方
筋弛緩法は非常にシンプルです。特別な道具などは必要なく、比較的狭いスペースで行うことができるため、日常に取り入れやすいのがメリットです。
【基本の仕方】
1:体に力を入れて10秒間キープする
2:一気に力を抜いて20秒間脱力する
3:1と2を数回繰り返す
ポイントは、力を入れるときは80~100%の力をこめ、脱力するときは完全に脱力することです。
慣れると体をまとめて一度に緊張・弛緩できるようになりますが、最初のうちは手、腕、肩、首、顔、胸、腹、尻、太もも、ふくらはぎ、足というようにパーツごとに分けて行うとよいでしょう。上半身の末端から下半身の末端にかけて行うのがよいとされていますが、順番はそれほど気にする必要はありません。
状況に応じて姿勢を変えたり、道具を使ったりして全身を緊張・弛緩させていきましょう。
まとめ
筋弛緩法は手軽に取り組めて習慣化しやすいリラクゼーション法ですが、心筋梗塞や低血糖などの持病がある場合は控えてください。
また、てんかんなどの精神疾患がある場合も症状が悪化することがあるといわれています。
健康な人が行う場合は安全だと考えられていますが、不安を感じる方や持病をお持ちの方は、筋弛緩法を行う前に医師などの専門家に相談してください。