何をするにも「凡事徹底の継続」こそ大切だなぁ、と感じている院長の岡井です。
今回は足首の内くるぶしの痛みで悩んでいた少年の症例報告です。
【状態】
サッカーの試合終了後に帰宅しようとしたところ足首の内側(内くるぶしの下あたり)に痛みを感じた。
安静にして一晩アイシングをしたが、翌日起床時には足をつけないほどの痛みに変わっていた。
痛くないほうの足に比べて少し赤く腫れているように見える。
歩行や階段の昇降も痛く、サッカーができる状態には程遠い。
大切な試合を控えているためどうしたものかとお父さんが連れてこられた。
【施術対応】
骨折や捻挫などのケガがないか詳細に確認しましたが特に見当たりませんでした。
左右を比べてみると確かに痛めた方の内くるぶしの下は少し熱感があり、ほんの少し紅くなっていました。
この辺りです↓
足首を伸ばして爪先立ちをするような動作をさせると、内くるぶしの下に痛みが出る状態で、爪先立ちをしたり歩くことは困難な状態でした。
全身的なバランスや状態をチェックしたところ、ふくらはぎの筋肉は広範囲に硬く固まっており、床をける力を発揮したり、衝撃を吸収することは困難な状態になっていました。
また、ふくらはぎの筋肉と協力して大きな力を発揮するはずのお尻の筋肉(大殿筋)が小さく、発達していませんでした。このことが小さなふくらはぎの筋肉に負担をかけている可能性が高いと感じながらチェックを進めました。
最近の状況を確認したところ、非常に調子が良かったので練習量を増やしたにもかかわらず、ストレッチなど自分でコンディショニングをする機会が減っておろそかになっていたようでした。
「そんな疲労が蓄積するような状態の中で、足首の動きや衝撃を吸収する役割を担っている、ふくらはぎの奥のほうにある筋肉が固まって、本来の働きができなくなったことで足首付近に痛みを出している」
という前提で施術を進めました。
具体的にはふくらはぎの奥のほうにある長指屈筋という筋肉と後脛骨筋という筋肉を中心に緩めて、その2つの筋肉が通過する内くるぶしの下のピンポイントを狙って鍼施術をしました。
もう一つは未発達の大殿筋と言うお尻の筋肉を鍛えるメニューを自宅で継続するように指導しました。
結果的には1度の施術で痛みが取れ、その後再発することなくサッカーが出来るようになりました。
ただ彼は前述したように大切な筋肉がまだ発達していないために、半年後には膝裏の外側に痛みを発症して再度来院しました。
この時も1度の施術で治りましたが、トレーニング効果がまだ十分には定着していなかった時期だったと思われます。
その後はどこも傷めることなくサッカーに専念できているようです。
この症例のように小さな筋肉や関節を痛める背景には、大きな力を発揮する筋肉が発達していなかったり、十分に使いこなせない状態のまま日常生活やスポーツを続けていることを少なくありません。
首・肩・腰・股関節・ひざ・足首・ひじ・手首。
いろんなところに痛みが出る症例がありますが、自分の体をよく知り、正しく使うことを身につければ、年齢に関係なく、痛みを改善して自分の能力を十分に発揮することができるようになります。
あらゆる痛みでお困りの方。
または自分の体をもっと自由に使えるようになりたい方。
お体のことであればなんなりとご相談ください。きっとお力になれることと思います。